「アヒムサー(非暴力)」
についてお話ししたいと思います。
ヨガ哲学を勉強したので、少しづつ改めてシェアしていきます。
ヨガ哲学と聞くと学問上の話しのように思えますが、日常にも活かせる教えがたくさんあります。
人間関係に苦しんでいる人は少なくありませんが、それを解消する手助けもヨガ哲学から見つけ出すこともできます。
アヒムサー(अहिंसा[ahiṃsā])– 非暴力
अहिंसा
[ahiṃsā]
feminine – 非暴力
アヒムサーの語源
サンスクリットの動詞の原型の「हिंस्[hiṃs](傷つける)」を、
名詞化したものが「हिंसा[hiṃsā](ヒムサー、暴力)」です。
「ヒムサー(暴力)」に否定の意味の「ア」をつけて、
「アヒムサー(非暴力)」となります。
マハトマ・ガンディが推奨していた言葉でもあります。
アは、英語で言うNOTの意味です。
「アヒムサー」は、「不殺生」と
訳されることもあるのですが、
「殺生」だけではありません。
アヒムサーとは、あらゆるものを
「傷つけない」ということです。
これは、物理的な肉体に対する
「暴力」だけではなく、
心も傷つけてはいけないのです。
殴ったり蹴ったりと
いうことだけではなく、
言葉でも傷つけてはいけません。
他者に対してだけでなく、
自分に対しても同様です。
心、身体、精神、
自分を含むあらゆるものに対して、
暴力をふるってはいけない。
のです。
この、アヒムサーについて、
スワミ・チダーナンダ氏の著書
「至福への道」では、
「アヒムサーとは、『思いにおいて、言葉において、行為において、
どんなに小さな苦痛さえも与えない』という誓いなのです。」
そして、このことは、
人種も、国籍も、宗教も、身分も、
立場も、性別も、年齢も関係なく、
全ての人に当てはまるものなのです。
と書かれています。
もしも全てにおおては、難しいと感じたら、まずは自分自身を大切にすることから始めてみましょう。
今日1日頑張った自分に対して、「よくがんばった」と褒めてあげること。
これが出来た!あれも出来た!と褒めてあげる。
自分のダメなところを探して落ち込む前に、自分の良いところをちゃんと認めるのです。
イライラしたり、頭がパンクしそうになったら、少しの時間でも良いので、目を閉じて呼吸に意識を向けたり、瞑想をしたり、
心や身体からのサインに気づき、疲れたら休む。寝ること。家にいて自分の時間を持つこと。
自分自身を労わり大切にできなければ、身近な人にさえ、正しく、思いやりをもって接する余裕はないです。
アヒンサーは、アーサナの練習をする以前に、とても大切なことです。
ヨガマットの上でなくても、すぐに実践出来る教えです。
こちらの文は、子育てに関することですが、
自分自身に対しても同じだと思いました。
子どもは、という部分を
自分自身は、と置き換えて読んでみると、
自分も大切にしなければ、とも思いました。
「子どもは大人の鏡」
子どもは批判されて育つと人を責めることを学ぶ
子どもは憎しみの中で育つと人と争うことを学ぶ
子どもは恐怖の中で育つとオドオドした小心者になる
子どもは憐れみを受けて育つと自分を可哀想だと思うようになる
子どもは馬鹿にされて育つと自分を表現できなくなる
子どもは嫉妬の中で育つと人をねたむようになる
子どもはひけめを感じながら育つと罪悪感を持つようになる
子どもは辛抱強さを見て育つと耐えることを学ぶ
子どもは正直さと公平さを見て育つと真実と正義を学ぶ
子どもは励まされて育つと自信を持つようになる
子どもはほめられて育つと人に感謝するようになる
子どもは存在を認められて育つと自分が好きになる
子どもは努力を認められて育つと目標を持つようになる
子どもは皆で分け合うのを見て育つと人に分け与えるようになる
子どもは静かな落ち着きの中で育つと平和な心を持つようになる
子どもは安心感を与えられて育つと自分や人を信じるようになる
子どもは親しみに満ちた雰囲気の中で育つと
生きることは楽しいことだと知る
子どもはまわりから受け入れられて育つと
世界中が愛で溢れていることを知る
――『こころのチキンスープ』 ダイアモンド社より
非暴力に徹した者のそばでは、すべての敵対が止む。
――ヨガ・スートラ Ⅱ-35