ブラフマチャリヤ(Brahmacharya)/禁欲
ヤマ(やってはいけない事)の中から、
ブラフマチャリヤ(禁欲)についてです。
もともとは、性欲に代表されるような、エネルギーの無駄使いをしてはならない、生涯を独身で過ごすことが説かれていました。
エネルギーの無駄遣いをしてはならない。
エネルギーを集中させ、自分のすべき事に使えることこそが禁欲の本質。とあります。
ヨガ・スートラの中では、禁欲=我慢し続けるという意味ではなく、性欲、食欲、物欲など人間なら当然持っているこういった欲に溺れず、
何でも節度を持ってということではないでしょうか。
一時的な快楽を得るために、欲というのは、際限なく顔を出します。
欲があるから人間は今の時代のように豊かになったので、全部が悪いとは言えないとは思います。
が、、
本当はお腹がいっぱいなのに、お菓子に手をだして止まらない.とか、どうしても毎日のアルコールの摂取がやめられない、、嫌なことがあった時に買い物で発散する、等
お食事の面で言うと、必要以上に食べると、食べた物を消化するために、身体は大量のエネルギーを消耗します。また、物を買えば買うほど当然お金を使い、その分またたくさんのエネルギーを使って働かなければなりません。
嫌なことを、快楽に浸ることで忘れようとしても、それは根本的な解決にはならず、逆に心身に負担をかけてしまいます。
一時的な快楽には、落とし穴があるのです。
ダイエットをしようと食事制限をしていても、頭では食べ物のことでいっぱいであれば、
ブラフマチャリヤは守れていないことになります。
では、どうしたら、このような欲求から距離を置くことが出来るのでしょうか?
そう、考えることがブラフマチャリヤを考える上での第一歩になります。
特に現代は、多くの”欲”が溢れています。
情報に流されるのではなく、自分が本当に必要なものは何か?
本当にそれは必要なのか?
“一呼吸置いて”考えてみると良いかもしれません。
ヨガの練習を続けていくと、自然と何かを過剰に欲しがることは無くなってきます。
それは、欲というのは、私たちのマインドが外側から何かしらの刺激を受け、勝手に”もっと欲しい””満たされない”と騒いでいるだけだ、という外的影響であることに気がつくからです。
ほんの少しの時間、ゆったりと深く、呼吸に集中して、心の”ざわざわ”が静かになっていくのを待ちましょう。
過剰な欲望に振り回されないよう、
“ブラフマチャリヤ”ー欲望のコントロールを日常生活の中で心がけていきましょう。
きっともっと、自分にも、周りにも優しくなれる毎日になると思います。
現代では、パートナー以外の異性とむやみに性的関係を持たないことの他、利己的な欲を満たそうとするのは避けることとされている。生命エネルギーは必要なところに集中させることが禁欲の本質なのです。
あなたのエネルギーは、正しいところに使っていますか?
ヤマの最後は、
ヤマ(してはいけないこと)の5つ目、最後が、アパリグラハ(不貪)です。
不貪は、ヨーガ・スートラでは、こう書いてあります。
2−39 不貪を確立した人は、過去と未来の出生に関する知識を得る。
不貪は、何事に対してももっともっとと欲しがらず、執着しないという意味です。
本当に必要なものだけ見つけて手に入れるということです。
ヨガジャーナル日本版vol.64 P146
には、このように記されていました。
「貪る」と聞くとモノに対して欲張るイメージが強いかもしれませんが、
環境、考え、他人に「求めすぎる状態」のことも貪りのひとつだとヨガ哲学では考えています。
必要なもの以上に求めすぎる行為がアパリグラハに反すると理解したとき、
私たちは無自覚の中で他人に自分自身の自己主張を撒き散らし、強要していないか振り返る必要があります。
必要以上に求めすぎた結果としてどんどん自分の視野も狭くなりその狭さからさらに人に強要してしまう、
そうした悪循環に陥る前に、今他人に対して「間違っている」と執着している根本は何なのか見つめる必要があるかもしれません。
他人を間違えているとジャッジすることもアパリグラハなのですね。
貪らないこと。次から次へと湧き起こる欲望に身を任せない、何かを過剰に所有しない。程度を超えた欲を持たない。独占欲を抑えることでもあります。過剰に所有すると、執着がわいて、それを失うことへの恐れと怒りと嫉妬を生みます。
アパリグラハを実践していくと、アパリグラハの実践は、外の物質世界に縛られず、自らに満足感をもたらし、寛容になり、他者から奪うのではなく、与えることにつながります。
これでヤマがまとめ終わりました。
アヒンサー非暴力
サティヤ正直・誠実
アステーヤ不盗
ブラフマチャリヤ梵行・禁欲
アパリグラハ不貪
正しく伝統的なYogaの考えを、自分の生活に取り入れ、Yogaを実践してみること。
このYogaの考え方を毎日の生活に取り入れて行くと、自分を省みることが出来ます。
ヨガ的に生きるなら、相手をどうこうするのではなく、周りに期待するのではなく、まずは自分から執着を捨ててみると、周りの世界も変わっていくといきます。
「世界」を映し出しているのは自分の心のみです。
心を変えて行けば、世界はきっと変わります。
物の見方、考え方が変化した時に世界は、輝きだすことでしょう。
参考書籍:
ヨガ入門佐保田鶴治
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